
これまで、プロフィールページで「この人は誰か」を、取扱業務ページで「この事務所は何ができるか」を、それぞれAIに伝える方法をお話ししてきました。人物の証明と、サービスの証明です。
今回取り上げるのは、もうひとつの大事な要素――執筆・登壇・メディア掲載といった「活動実績」の証明です。そして実は今回、この連載で何度か「後の回でお話しします」とお預けにしてきた考え方が、いよいよ主役になります。それが「たどれるようにしておく」という発想です。
なお今回は、これまでのように裏側のコードを覗くことはしません。コードの形よりも、考え方そのものを掴んでいただくほうが大事な回だからです。肩の力を抜いて読んでいただければと思います。
これまでの『士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門』はこちら
→第1回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:なぜ実績豊富な先生のサイトがAI検索で「見えない」のか
→番外編:【号外】AI検索に『お気に入り登録』機能 ── 士業サイトに今、起きていること
→第2回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:構造化データという「AI用の身分証」を理解する
→第3回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:プロフィールページのAI検索(AIO)対応 -- 士業の「資格・登録番号」をAIにどう伝えるか
→第4回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:取扱業務ページのAI検索(AIO)対応 -- 「相続に強い」を証明する書き方
「実績は書いてある」のに、なぜ弱いのか
多くの士業サイトのプロフィールには、立派な活動実績が並んでいます。「◯◯セミナーで登壇」「△△という媒体に寄稿」「□□新聞に取材掲載」――どれも、専門家としての信頼を支える大切な実績です。
ところが、これらがただ文字として書き並べられているだけだと、AIにとっては意外なほど弱いのです。人間が読めば「精力的に活動されている先生だ」と伝わりますが、AIから見ると、それが本当にあった出来事なのか、それともサイトにそう書いてあるだけなのか、判断する手がかりがありません。
ここで、これまでの回とは少し事情が違ってくることに気づかれたでしょうか。資格や登録番号は、自分の欄に正しく記入すれば済む情報でした。けれど活動実績は、自分のサイトの外で起きた出来事です。セミナーは別の主催者が開き、寄稿は別の媒体に載り、取材は別の新聞社が報じている。実績は、外部の出来事なのです。ここに、今回の鍵があります。
自己申告には、「裏づけ」が要る
第2回で、こんな問いを投げかけたまま、お預けにしていたことを覚えているでしょうか。
「自己申告の中身が本当に本物なのか、それをどうやってAIに信じてもらうのか」――この問いに、今回ようやくお答えします。
資格や登録番号は、決まった書式の決まった欄に正しく書けば、AIはそれを情報として受け取ってくれました。けれど、活動実績はそうはいきません。「有名なシンポジウムで登壇しました」と自分で書くこと自体は、極端に言えば誰にでもできてしまうからです。登壇していない人がそう書いても、文字の上では区別がつきません。
だからこそ、活動実績には「裏づけ」が必要になります。そして、その裏づけを与えるのが、外部の事実とたどれる形で結びつけることなのです。自分で「載りました」と書くだけでなく、実際に載った外部のページと、たどれるようにつないでおく。これによって、自己申告だった実績が、確認できる事実へと変わります。
人間の世界で考えると分かりやすいかもしれません。「私は新聞に載りました」と口で言われるより、実際の掲載記事を見せてもらえたほうが、ずっと信頼できます。AIに対して実績を伝えるときも、これと同じことが起きているのです。
「たどれる」とは、具体的にどういうことか
では、「外部とたどれる形でつなぐ」とは、具体的にどうすることなのでしょうか。士業の活動実績に引き付けて見てみます。
寄稿した記事であれば、それが掲載されている媒体のページと結ぶ。セミナーや講演で登壇したのであれば、そのイベントの告知ページや主催者のページと結ぶ。新聞や雑誌に取材されたのであれば、その掲載元のページと結ぶ。要するに、サイトに書いた実績を、その実績が実際に存在することを示す「外部の、実在するページ」へとつないでおく、ということです。
こうして外部とつながっていると、AIはその実績を「サイトが一方的にそう主張しているだけのもの」ではなく、「外部でも確認できる事実」として扱いやすくなります。実績が自分のサイトの中だけで完結せず、外の世界に根を持っている状態です。
ここで、前の回を思い出してみてください。第3回で、所属会を書くときには団体の公式サイトのURLを一緒に添えるとよい、とお話ししました。実はあれも、まったく同じ「たどれるようにしておく」発想だったのです。所属会の名前をただ書くのではなく、実在する公式ページとつなぐことで、所属の記載に裏づけが生まれる。資格の所属会も、活動実績も、「外部の事実とたどれる形で結ぶ」という一本の考え方でつながっているわけです。
活動実績は、「育てて、つなぐ」もの
活動実績には、資格や登録番号とは違う、もうひとつの特徴があります。それは、増えていくということです。
資格は一度取得すれば基本的に変わりませんが、活動実績はこれからも積み上がっていきます。新しく登壇する、新しい媒体に寄稿する、新しく取材を受ける。そのたびに、新しい実績が生まれます。
ですから活動実績は、一度書いて終わりではなく、活動とともに育てていくものです。新しい実績ができたら、その都度、外部のページとたどれる形で追加していく。この「こまめに更新していく」という姿勢自体にも、実は意味があります。連載の早い回でも触れましたが、定期的に新しい情報が増えているサイトは、AIから「今も活動している、生きた情報源」と見なされやすいからです。実績を育て続けることが、サイト全体の鮮度にもつながっていきます。
先生の活動実績は、「たどれる」状態になっているか
今回は、執筆・登壇・メディア掲載といった活動実績について、「ただ書く」のではなく「外部とたどれる形でつなぐ」ことで裏づけが生まれる、というお話をしました。これが、第2回からお預けにしてきた「自己申告をどう本物だと示すか」への答えです。
ここまでの流れを、一度束ねてみます。プロフィール(人物)、取扱業務(サービス)、そして活動実績。これらが、資格・所属会・外部の事実とたどれる形でひとつにつながったとき、はじめてAIはサイト全体を「ひとつの専門家の、確かな情報」として理解します。バラバラの情報の寄せ集めではなく、相互に裏づけ合う一つのまとまりとして認識される――ここまでの回でお伝えしてきたことは、すべてこの一点に向かっていました。
そして、いつもと同じことを最後に申し添えます。活動実績が外部とたどれる形になっているかどうかも、ご自身でサイトを眺めているだけでは見えてきません。立派な実績がずらりと並んだプロフィールほど、それが「ただの文字の羅列」で止まっていないか、一度確かめてみる価値があります。
当社の「士業サイトのAI検索(AIO)適合度診断」では、活動実績が外部と正しく結びつき、AIに「確認できる事実」として伝わる状態になっているかも含めて、士業サイトを専門に手がけてきた当社の担当者が診断いたします。ご自身では見えない裏側を、一度確かめてみてください。
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次回は少し趣を変えて、「古いサイトをどう判断するか」をお話しします。部分的に手を入れて延命させるべきか、いっそ作り直すべきか。その見極めの基準を、具体的に整理します。
士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門』記事一覧
→第1回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:なぜ実績豊富な先生のサイトがAI検索で「見えない」のか
→番外編:【号外】AI検索に『お気に入り登録』機能 ── 士業サイトに今、起きていること
→第2回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:構造化データという「AI用の身分証」を理解する
→第3回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:プロフィールページのAI検索(AIO)対応 -- 士業の「資格・登録番号」をAIにどう伝えるか
→第4回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:取扱業務ページのAI検索(AIO)対応 -- 「相続に強い」を証明する書き方


