前回は、構造化データという「身分証」には決まった記入欄がある、というお話をしました。
氏名、資格、登録番号、所属会、対応分野――これらの欄を正しく埋めることが、AIに専門家として認識される出発点になる、と。
ただ、ここまではまだ「考え方」の話でした。
今回からは少し趣を変えて、その欄を実際にどう埋めていくのかを覗いてみます。
途中で一度だけ、裏側で動いているコードらしきものもお見せします。
とはいえ、読めなくてまったく問題ありません。
「ああ、こういう見た目のものが裏で働いているのか」
という雰囲気だけ掴んでいただければ十分です。
難しそうだと感じたら、そこは制作の専門家に任せる領域だと考えてください。
これまでの『士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門』はこちら
→第1回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:なぜ実績豊富な先生のサイトがAI検索で「見えない」のか
→番外編:【号外】AI検索に『お気に入り登録』機能 ── 士業サイトに今、起きていること
→第2回:士業サイトの「AI検索(AIO)」対策入門:構造化データという「AI用の身分証」を理解する
士業サイトでは、なぜプロフィールページが「主役」なのか
士業サイトにはいくつものページがあります。
事務所案内、取扱業務、料金表、コラム。そのどれもが大切ですが、AIに専門家として認識されるという観点で言えば、最も重要なのはプロフィールページです。
理由はシンプルです。
AIがまず確かめたいのは「この情報を発しているのは、いったい誰なのか」だからです。
どれほど詳しい相続のコラムが載っていても、それを書いたのが本当に資格を持つ専門家なのか分からなければ、AIはその内容を「専門家の見解」として安心して扱えません。
事務所の立派な紹介文があっても、そこに実在の有資格者が結びついていなければ、ただの会社案内と変わらないのです。
つまりプロフィールページは、サイト全体の信頼性の起点になります。
前回挙げた記入欄――氏名・資格・登録番号・所属会・対応分野――は、まさにこのページに集約されます。
ここがしっかり記入されていれば、コラムや取扱業務ページも「あの専門家が発している情報だ」と、芋づる式に信頼されていく。
逆にここが空白だと、ほかのページがどれだけ充実していても、土台が抜けたままになってしまいます。
士業ならではの5つの欄を、ひとつずつ
では、プロフィールページにどんな欄を、どう埋めればよいのか。
前回はただ欄を並べただけでしたが、今回は「なぜそれが要るのか」「どう書くとAIに効くのか」まで、ひとつずつ見ていきます。司法書士の先生を例にします。
① 資格と登録番号
最も大事な欄です。
「司法書士」という資格名だけでなく、登録番号(東京 第◯◯号、など)まで記入することに意味があります。
番号という具体的な識別情報まで添えることで、AIは「名乗っているだけの人」ではなく「特定可能な、検証しうる資格者」として扱いやすくなります。
人間にとっての登録番号は飾りのように見えるかもしれませんが、AIにとっては本人性を裏づける重要な手がかりです。
② 所属会
東京司法書士会、日本司法書士会連合会といった所属団体の欄です。
ここで効くのが、団体の公式サイトのURLを一緒に添えることです。
所属会名をただ書くのではなく、その団体の実在する公式ページと結びつけておく。
こうしておくと、所属の記載が宙に浮かず、たどれる先を持った情報になります。
この「たどれるようにしておく」という考え方は、後の回でもう少し掘り下げます。
③ 対応分野
相続登記、遺言、成年後見、家族信託……といった得意分野の欄です。
ここはAIに「相続に強い司法書士」を探させたいときに直接効いてきます。
利用者がAIに「相続に詳しい司法書士は?」と尋ねたとき、この欄が埋まっている専門家ほど候補に挙がりやすい。
漠然と「法律全般」と書くより、具体的な分野名を並べるほうが、AIにとっては手がかりが増えます。
④ 所属事務所
この人がどの事務所に所属しているか、という欄です。
人物と事務所を結びつけておくことで、「この事務所には、この有資格者がいる」という関係がAIに伝わります。
一人の専門家と、その活動の場である事務所が、ばらばらの情報ではなく一つのまとまりとして認識されるわけです。
⑤ 経歴・実績の補強
出身校、委員歴、受賞歴、公的な役職といった欄です。
必須ではありませんが、埋まっているほど人物像に厚みが出ます。
とりわけ「どこかの委員を務めた」「公的な役職に就いていた」といった情報は、専門家としての信頼を補強する材料になります。
ここに何を入れるかは、執筆実績やメディア掲載の扱いとも関わってくるので、その話は第5回でまとめてお伝えします。
では、実際にはこう書く(コードを少しだけ覗く)
ここまでは「欄」という言葉で説明してきました。
では、その欄が裏側で実際にどんな姿をしているのか。一度だけ、本物の断片をお見せします。
先にお伝えしたとおり、読めなくてまったく構いません。
"@type": "Person",
"name": "山田 太郎",
"jobTitle": "代表司法書士",
"hasCredential": "司法書士(東京 第◯◯号)",
"memberOf": "東京司法書士会",
"knowsAbout": ["相続登記", "遺言", "成年後見"]
ぱっと見て「うっ」と感じても大丈夫です。
注目してほしいのは、左側に並んでいる英語の見出しが、そのまま記入欄の名前になっているという点だけです。
name は氏名の欄、hasCredential は資格の欄、memberOf は所属会の欄、knowsAbout は対応分野の欄。
先ほど説明した5つの欄が、こうして決まった名前のついた場所に、決まった形で整理されているのが分かると思います。
人間が読むプロフィール文章とはまったく別に、裏側ではこういう形で情報が並んでいて、AIはここを読んでいるわけです。
おそらく多くの先生は、これを見て「自分でやるのは難しそうだ」と感じられたのではないでしょうか。
その感覚は正しいです。
これは制作の専門領域で、先生ご自身が書けるようになる必要はありません。
大事なのは、自分のサイトのプロフィールページに、こうした欄がきちんと用意され、正しく記入されているかどうかを把握しておくこと。
書くのは専門家に任せ、先生は「埋まっているか」を気にかける立場でいれば十分です。
士業サイトに多い「記入漏れ」のパターン
プロフィールページのつくりで、もったいない記入漏れが起きがちなパターンがあります。
自分のサイトを思い浮かべながら読んでみてください。
ひとつ目は、文章では書いてあるのに、欄には入っていないケースです。
プロフィール本文に「東京司法書士会所属、登録番号◯◯号」とちゃんと書いてあるのに、裏側の記入欄は空っぽ。
人間には伝わっていても、AIには届いていない、という典型です。
本文に書くことと、欄を埋めることは、まったく別の作業なのです。
ふたつ目は、所属会を書いても、たどれる先を結んでいないケース。
団体名は入っているけれど、その公式サイトとの結びつきがない。
先ほど②で触れた「たどれるようにしておく」が抜けている状態です。
三つ目は、コラムの著者と、プロフィールがつながっていないケースです。
せっかく専門的なコラムを書いていても、その記事と「書いた本人のプロフィール」が結ばれていないと、AIは「誰が書いたか分からない記事」として扱ってしまう。
これは士業サイトでとても多い見落としで、次回・次々回でも繰り返し出てくる重要な論点です。
これらはいずれも、人間がブラウザでページを眺めているだけでは気づけません。
表向きは立派なプロフィールページほど、裏側の記入漏れが見つけにくいものです。
先生のプロフィールページは、裏側まで埋まっているか
今回は、プロフィールページに記入すべき欄を一つずつ見て、裏側のコードの雰囲気まで覗いてみました。
お伝えしたかったのは、人間向けに整えられた立派なプロフィールと、AIが読む裏側の記入欄は、まったく別物だということです。
そして前回も触れたとおり、この裏側は、ご自身でサイトを開いて眺めているだけでは見えてきません。
プロフィール文章がどれだけ充実していても、AI用の欄が空欄なら、AIにとっては確認のしようがない。
表向きの見栄えと、裏側の記入状態は、必ずしも一致しないのです。
当社では、「士業サイトのAI検索(AIO)適合度診断」をご用意しています。
先生のプロフィールページに、資格・所属会・登録番号といった欄が正しく記入されているか、士業サイトを専門に手がけてきた当社の担当者が診断いたします。
ご自身では見えない裏側を、一度確かめてみてください。
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メルマガをご購読の方から無料診断を受け付けておりますので、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。
一般の受付は後日ご案内いたしますので、暫しお待ちください。
次回は、プロフィールと並ぶもうひとつの主役、「取扱業務ページ」を取り上げます。
「相続に強い」を、AIにどう証明するのか。具体的な書き方をお話しします。


