「親身な税務相談」「節税の提案」「安心の顧問料」といった抽象表現ではなく、「事前の提案を先手で行う仕組み(受け身にならないルール)」と「銀行融資や税務調査で会社を支える具体的な取り組み」を明記することが大切です。
税理士を探している中小企業の経営者がよく抱える不満は、「今の税理士が何も提案してくれない」「決算直前まで税額が分からない」「融資の相談に乗ってくれない」という、受け身の姿勢です。
この不満を安心に変える3つのポイントをお伝えします。
1. 「提案します」ではなく「先手で提案する仕組み」を強みにする
経営者が避けたいと感じるのは、「決算月の直前に『今期は利益が出たので税金が〇〇〇万円です』と告げられること」です。
- 避けたい表現:「お客様の立場に立って親身に節税提案を行います」。
- 決算3ヶ月前の事前検討会:「決算月の3ヶ月前(9ヶ月目終了時点)に『決算着地点シミュレーション』を実施。今期の利益と納税予測を確認し、合法的な節税策と資金繰り計画を先手で検討します」。
- 試算表の早期確定ルール:「クラウド会計を活用し、毎月翌月〇営業日までに試算表を共有。リアルタイムな数字をもとに経営判断ができる環境を作ります」。
2. 「銀行融資・資金調達に直結する財務支援力」を具体的に示す
中小企業の経営者にとって、税理士の価値は「税金を計算すること」以上に「会社にキャッシュを残し、融資につなげること」にあります。
- 避けたい表現:「創業融資や資金繰りの相談にも対応しています」。
- 金融機関目線の決算書作成:「銀行が融資審査で見る格付けの基準(債務償還年数、自己資本比率など)を踏まえた決算書を作成。資金繰り表の作成と事業計画書のブラッシュアップを支援します」。
- 融資サポートの実績:「日本政策金融公庫・民間金融機関への融資支援の実績(〇件・総額〇億円)。面談同席や事前シミュレーションまで支援します」。
3. 「税務調査への備え」の具体策を開示する
税務調査への経営者の不安は強いため、調査のリスクを抑える体制を示します。
- 避けたい表現:「万が一の税務調査にもしっかり立ち会います」。
- 書面添付制度の活用:「税理士法第33条の2に基づく『書面添付制度』を導入。申告書の作成プロセスと適正性を税理士が書面で示すことで、税務調査の事前通知前の意見聴取や、実地調査の省略につながる場合があります」。
- 国税OBとの連携・事前チェック:「元国税調査官の税理士と連携した事前の確認を実施。調査で指摘されやすいポイントを事前に洗い出し、指摘や追徴をできるだけ抑えることを目指します」。
ポーカー・フェイスからのアドバイス
税理士の先生の強みページでよく見かけるのが、「アットホームな事務所です」「経営のお悩みなら何でもご相談ください」という、誰にでも言えるふわっとした言葉です。
経営者は、仲良くなるために顧問料を払うわけではありません。「自社のキャッシュを守り、銀行から評価され、税務調査にも備えてくれる存在か」を見ています。決算前のルーティンや融資支援のプロセス、書面添付への取り組みなど、プロとしての具体的な行動を明文化してください。それが、価格競争に巻き込まれない「質の高い、長く続く顧問契約」につながる差別化になります。


