出願時の費用だけを載せるのではなく、「出願〜権利化(登録)までの全フェーズにかかる『費用の全体像』の提示」と、「特許庁に払う印紙代と弁理士手数料を分けて示すこと」が大切です。
知財の相談者(企業や開発者)が不安に感じやすいのは、「出願時だけでなく、審査の途中で拒絶通知(中間処理)が来た時や登録時に、予期せぬ費用が何度も発生すること」です。
全体予算の見通しを立てやすくする3つのポイントをお伝えします。
1.「出願」から「登録」までのフェーズ別費用と総額目安を提示する
特許・商標・意匠の権利化は、複数のステップに分かれます。出願時の費用だけで安く見せる手法は不信感を招きます。次のように、フェーズごとに示します(特許出願の場合)。
- ①出願時費用:弁理士報酬+特許庁印紙代。
- ②審査請求時費用:審査請求料(特許庁実費)+弁理士手数料。
- ③中間処理費用(拒絶理由通知への対応):意見書・補正書の作成料(発生する場合のみ)。
- ④登録時費用:成功謝礼+1〜3年分の特許料(印紙代)。
「権利化までにかかるトータル費用の目安(〇〇万円〜〇〇万円)」を記載し、企業の予算取りをスムーズにします。
2.「弁理士報酬」と「特許庁へ支払う印紙代」を分けて示す
知財の手続きは、特許庁へ納める印紙代が大きな割合を占めます。次のように分けて示します。
- 特許庁印紙代:国に納める公的費用(区分数や請求項数によって変動)。
- 弁理士報酬:先行技術調査、明細書・図面の作成、権利化のやりとりへの対価。
事務所の報酬がいくらで、国の費用がいくらなのかを分けることで、費用の内訳を理解してもらいやすくなります。
3.商標は「区分数ごとの定額プラン」、特許は「難易度・ページ数の基準」を明記する
ターゲット層に合わせた、わかりやすい料金の指標を設定します。
- 商標登録(スタートアップ向け):「1区分:出願〇万円+登録〇万円」「追加1区分ごとに+〇万円」というシンプルな段階制。
- 特許・実用新案(製造業・IT向け):「標準的な明細書(〇ページ、請求項〇個まで)の基本料金」を設定し、大きく超える場合の追加加算ルールを示します。
ポーカー・フェイスからのアドバイス
弁理士の先生の料金ページで避けたいのは、旧弁理士報酬規程のような難解な表をそのまま載せたり、「出願手数料〇〇円〜」とだけ書いて中間処理や登録料の存在を伏せてしまうことです。
企業の発注担当者や経営者は、「途中でいくらかかるか分からない案件」に予算を決裁できません。「出願から登録までに発生しうる費用の総額目安」をオープンにし、丁寧な見積書を事前に提示する姿勢を見せることが、企業からの信頼を得て、継続的な知財相談(顧問契約)につなげる鍵になります。


