ホームページのコラムは、士業の方にとって強力な集客ツールであり、ブランディングの要となります。しかし、「何を書けばいいかわからない」「時間がなくて書けない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、コラム執筆に悩む士業の方々に向けて、読まれるコラムを書くための実践的なノウハウを解説します。
なぜ今、コラム執筆が重要なのか?
インターネットが情報収集の主流となった現代において、顧客は何か困りごとが発生した際、まず検索エンジンで解決策を探します。その際、あなたのホームページに専門性の高いコラムがあれば、顧客はあなたの事務所を見つけ、信頼感を抱き、最終的に問い合わせに繋がる可能性が高まります。
ただし、コラムを書いてすぐに確度の高い問い合わせや受任に繋がるわけではありません。まずは、将来顧客となる可能性のある方々との接点を持つという意味で非常に重要です。
現代は情報が溢れ、その真偽を見極めることが難しくなっています。だからこそ多くの人が、信頼できる情報源を求めています。
そこで専門家として情報発信することによって、読者との間に「接点」と「認知」が生まれるのです。
これからの時代、この「認知」はとても大切な要素として意識するようにしましょう。
コラム執筆の重要性は、以下の3つの側面に集約されます。
集客力の向上
顧客が抱える疑問や悩みを解決するコラムは、検索エンジンからの流入を増やし、見込み顧客との接点を作り出します。
専門性の可視化
自身の専門分野に関する深い知識や経験をコラムで発信することで、読者にあなたの専門性や強みを明確に伝えられます。これは、単なるサービス紹介ページでは伝えきれない信頼感を構築します。
ブランディングの強化
コラムを通じてあなたの考え方や人柄を伝えることで、読者はあなたに親近感を抱き、事務所のブランドイメージを向上させます。また、定期的な情報発信は、あなたの事務所が常に最新の情報をキャッチアップしているという印象を与えます。
これら3つの対外的なメリットに加え、コラム執筆にはご自身の思考を整理し、専門知識を再確認できるという内面的なメリットもあります。
コラムで書く内容は、実際の営業やコンサルティングでお客様にお話しする内容と重なることも多いでしょう。つまりコラム執筆は、ホームページという『Web資産』と、ご自身の『知識資産』を同時に蓄積していく、価値ある活動なのです。
読まれるコラムのテーマ選定術
コラムを書き始める前に最も重要なのが、「誰に」「何を」伝えるかを明確にすることです。読者のニーズに応えるテーマを選定することで、読了率を高め、集客効果を最大化できます。
1. ターゲット読者を明確にする
あなたの事務所がどのような顧客層をターゲットとしているのかを具体的にイメージしましょう。例えば、
- 中小企業の経営者
- 個人事業主
- 子育て世代の主婦
- 相続問題に悩む高齢者
など、ターゲットを絞り込むことで、彼らが抱える具体的な悩みや知りたい情報を深く掘り下げていけます。ターゲットが明確であればあるほど、コラムの内容も具体的になり、読者の心に響くものとなります。専門分野に特化したホームページであればそのテーマに沿った内容を、複数の分野を扱うコーポレートサイトであれば、テーマごとにカテゴリーを分けて整理すると読者にとって親切です。
2. ターゲットの悩みに寄り添う
ターゲットが抱える悩みや疑問をリストアップしてみましょう。
- 「〇〇について困っているが、どこに相談すればいいかわからない」
- 「〇〇の手続きが複雑で、どう進めればいいか不安」
- 「〇〇について、もっと詳しい情報が知りたい」
など、顧客が実際に検索しそうなキーワードを意識することも重要です。例えば、税理士であれば「税務調査」「相続税申告」、司法書士であれば「相続手続き」「相続登記」などが挙げられます。
3. 専門性を活かした「独自の視点」を持つ
一般的な情報だけでなく、あなたの専門性や経験に基づいた独自の視点を加えることで、コラムの価値は格段に上がります。例えば、
- 自身の経験談や成功事例・失敗事例
- 法改正や制度変更に対する具体的な対策
- 実務でよくある質問とその回答
など、読者が「なるほど!」と感じるような、深掘りした情報を提供しましょう。
4. 検索キーワードを意識する
ターゲットが検索しそうなキーワードをコラムのタイトルや見出し、本文中に自然な形で盛り込むことで、検索エンジンからの流入を増やせます。しかし、キーワードを詰め込みすぎると不自然になり、読みにくくなるため注意が必要です。あくまで読者にとって有益な情報を提供することを最優先し、その上でキーワードを意識するようにしましょう。
コラム執筆の具体的なステップ
テーマが決まったら、いよいよ執筆です。以下のステップで進めることで、効率的かつ質の高いコラムを作成できます。
1. 構成案の作成(アウトライン)
いきなり書き始めるのではなく、まずはコラム全体の構成案を作成しましょう。これにより、論理的な流れが整理され、書きたいことが明確になります。
構成案の例:
- タイトル: 読者の目を引く魅力的なタイトル
- 導入: 読者の共感を呼び、読み進めてもらうための掴み
- 読者の悩みや課題の提示
- コラムを読むメリットの提示
- 本文: テーマを深掘りし、具体的な情報を提供する
- 小見出しで項目分けし、読みやすくする
- 専門用語は適宜解説を加える
- 箇条書きや表を活用し、視覚的に分かりやすくする
- 具体的な事例や数字を交える
- まとめ: コラムの内容を簡潔に振り返り、行動を促す
- コラムの要点の再確認
- 読者へのメッセージやアドバイス
- 事務所への問い合わせやサービス利用への誘導(コールトゥアクション)
2. 導入文で引き込む
導入文は、読者がコラムを読み続けるかどうかを判断する重要な部分です。読者の共感を呼び、続きを読みたくなるような工夫を凝らしましょう。
- 読者が抱えるであろう悩みや疑問を投げかける
- その悩みが解決されることで得られるメリットを提示する
- コラムで何が学べるのかを明確にする
3. 本文は「分かりやすさ」を重視する
専門家であるあなたにとっては当たり前のことでも、読者にとっては初めて聞く情報かもしれません。専門用語は避け、もし使う場合は必ず平易な言葉で解説を加えましょう。
- 一文を短くする: 長い文章は読者の集中力を削ぎます。
- 箇条書きや見出しを多用する: 視覚的に整理され、読みやすくなります。
- 具体例を挙げる: 抽象的な説明だけでは伝わりにくい内容も、具体的な事例を挙げることで理解度が深まります。
- 図や画像を挿入する: 複雑な内容を図で示したり、関連する画像を挿入したりすることで、視覚的に分かりやすくなります。
4. まとめとコールトゥアクション(行動喚起)
コラムの最後に、読者に何をしてもらいたいのかを明確に示しましょう。
- コラム内容の要約: 読者が得た知識を再確認させます。
- 次の行動を促す: 「もっと詳しく知りたい方はお問い合わせください」「無料相談を受け付けています」など、具体的な行動を促す文言(コールトゥアクション)を設置します。
コラムを継続するための秘訣
コラムは一度書いたら終わりではありません。定期的に更新することで、検索エンジンからの評価も高まり、より多くの読者にリーチできます。
1. ネタ探しを習慣化する
コラムのネタは日常生活の中に隠されています。
- 顧客からの質問: 顧客からよく聞かれる質問は、他の人も疑問に思っている可能性が高いです。
- 法改正や業界ニュース: 最新の情報は常にニーズがあります。
- セミナーや相談会での気づき: 参加者からの質問や議論からヒントを得られます。
- 同業者のブログや記事: どのようなテーマで発信しているのか参考にしてみましょう。ただし、丸写しは厳禁です。
2. 執筆時間を確保する
「時間がない」という方は、週に1時間、月に2時間など、短い時間でも良いので執筆時間を確保するルーティンを作りましょう。一気に書き上げようとせず、少しずつでも書き進めることが大切です。
3. 完璧を目指さない
最初から完璧なコラムを書こうとする必要はありません。まずは「公開すること」を目標にしましょう。慣れてきたら、少しずつ修正・改善を重ねていけば良いのです。
4. 過去のコラムをリライトする
一度公開したコラムも、時間が経てば情報が古くなることがあります。法改正や社会情勢の変化に合わせて、過去のコラムを更新(リライト)することで、常に最新の情報を提供できます。これは新規で書くよりも効率的で、SEO効果も期待できます。
まとめ
ホームページのコラムは、士業の方にとって集客、ブランディング、専門性のアピールに欠かせないツールです。本コラムでご紹介した「ターゲットを明確にする」「読者の悩みに寄り添う」「分かりやすさを追求する」といったポイントを押さえ、継続的に情報発信を行うことで、あなたの事務所は確実に信頼を築き、多くの顧客に選ばれる存在となるでしょう。
コラム執筆は、最初は大変に感じるかもしれませんが、あなたの専門知識を社会に還元し、多くの人を助けることにも繋がります。ぜひ、このコラムを参考に、あなたらしい情報発信を始めてみてください。
当社ではホームページ管理サービス【スタンダード】以上でご希望の方に対して継続的なアドバイスをさせていただいています。実際にコラムを書くのはお客様ですが、構成案作りを一緒に考える等、コラムを書くためのサポートを必要とされる方はお気軽にご相談ください。