
士業にとって専門知識やノウハウを発信するコラムは、新規顧客の獲得、専門性のアピール、そして信頼を獲得するためにも不可欠なコンテンツです。しかし、質の高いコラムを作成・公開しても、読者に届かなければ効果が発揮できません。
そこで、本記事では公開したコラムの価値を最大限に引き上げる「タグ」の活用について詳しく解説します。具体的な活用方法やSEOへの影響にも触れますので、ぜひご一読ください。
士業のホームページにおけるコラムと「タグ」の重要性とは
士業のホームページでは「コラム」を定期的に制作、アップしていくことが重要です。以前ご紹介しましたが、士業(弁護士、税理士、司法書士、社会保険労務士など)専門家が定期的にアップする署名記事はGoogleが求める概念E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を満たしやすく、SEOのコンテンツ評価が得られやすい傾向があります。また、記事を書くテーマ別にまとめる「タグ」を作ることで、コラムの価値はより高めることが可能です。
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コラムをまとめる「タグ」とは
「タグ」とは、記事の内容を各テーマ別にまとめるキーワードのことです。適切にタグを活用することで、以下の効果が期待できます。
関連情報の横断的に閲覧できる
タグがあれば、読者は興味のある特定のテーマに関する複数の記事を、タグをたどることで横断的に閲覧することが可能です。
例として、弁護士や司法書士、税理士などの士業が扱う「遺産分割」というタグを設定すれば、遺産分割時に関する複数のコラムが一覧で表示されるため、閲覧しやすくなります。
迅速に情報が得られる
専門用語が多くなりがちな士業のコラムにおいて、タグは読者が求める情報に素早くたどり着くための道しるべとなります。例として、税理士のホームページで「相続税申告」や「税務調査」といったタグがあれば、相続税申告や税務署による税務調査に関心がある読者が迅速に関連情報を得られます。
専門用語がわかりやすく整理される
タグがあることで、ホームページに掲載されている専門用語が整理され、読者は繰り返し目にするうちに、それらの用語に親しみやすくなります。例として、司法書士のホームページで「相続登記」や「遺産分割」などのキーワードがタグで整理されていれば、相続をきっかけにアクセスした読者が相続時に知っておくべき専門用語を理解しやすくなるでしょう。
士業ホームページで「タグ」を利用する3つのメリット
士業のホームページにおいて、タグを効果的に活用することには多くのメリットがあります。この章ではメリットを3つに分けて詳しく解説します。
1.重要なキーワードで関連記事をまとめられる
士業事務所が特に注力したい分野や、頻繁に問い合わせを受けるキーワードを「タグ」として設定することで、関連性の高い情報を一箇所へ集約できます。重要なキーワードに豊富な記事数を用意しておくことで、読者は事務所への信頼を高めるため、依頼を決めるきっかけにつながります。
2.WordPress(ワードプレス)で簡単に記事をアップできる
多くの士業事務所がホームページの構築に利用している「WordPress(ワードプレス)」では、記事投稿画面からタグを挿入・設定することができます。
一度タグを設定すれば、記事のアップの際に簡単に集約できるため、特別な専門知識は必要ありません。タグを設定することで記事の集約に時間もかからなくなり、ホームページも見やすくなります。
3.回遊率がアップし、ホームページが評価されやすくなる
士業事務所ホームページ内にあるタグを通じて読者が他の関連記事へとスムーズに移ることで、ホームページ全体の閲覧数(PV数)や滞在時間が増加します。これはホームページ内の「回遊率」の向上を意味し、読者のエンゲージメントが高いものとしてGoogleからの評価向上につながりやすくなります。タグ内に豊富な記事数があれば、それだけ長く読者が留まってくれる可能性も上がるため、定期的に記事を増やしていくことも大切です。
士業ホームページにタグを入れるコツとは
適切に設定されたタグは、読者を目的の情報へと導き、ホームページ全体の回遊性を高める効果があります。では、効果を高めるタグの入れ方はあるでしょうか。この章では士業ホームページにタグを入れるコツを整理します。
適切なタグ数は3~5つ程度
ホームページ上で設定するタグの推奨数は3~5つ程度です。では、なぜこの数になるのでしょうか。あまりに多いタグ数は、読者が記憶しにくく扱いにくいというデメリットがあります。また、少なすぎるタグは情報が手薄な印象になります。
少なすぎるタグの問題点
タグの数が少なすぎると、記事の内容を十分に表現できず、関連性の高い情報を求める読者にリーチできない可能性があります。また、検索エンジンも記事のテーマを正確に把握しづらくなります。相続を例にすると、相続には複数の手続きや、生前・相続開始後に分けた整理が必要となるため、複数のタグを用いて説明する必要があります。
多すぎるタグの問題点
多数のタグを乱用すると、読者はどのタグが本当に重要な情報を示しているのか判断に迷い、ホームページの信頼性を損なう可能性があります。また、Googleがスパムと認定するおそれもあるため避けましょう。読者が関連情報を探す際に役立つ、わかりやすいキーワードを厳選することが重要です。
タグは「厳選する」ことが大切
タグとして使用するキーワードの選定は、読者がホームページに関心を持ち、さらに記事を読み進めるための第一歩と言えます。読者がどのような言葉で情報を探しているのかを想像し、その検索意図に合致するキーワードを厳選することが、タグの効果を最大化する鍵となります。厳選するためには、以下2つのポイントを押さえておくとよいでしょう。
① 読者のニーズを想像して設定する
- 読者は何を知りたいのか想像する
- 専門用語だけでなく、より一般的な言い回しや類義語も検討する (例・弁護士の場合、不貞行為、だけではなく浮気や不倫といった一般的な用語の使用)
② どのような状態で情報を探しているか考える
- 例として、相続なら生前対策か、相続開始後か
- 具体的な解決策を探しているのか、専門用語の説明や手続きの流れを知りたいのか
読者がどのような意図をもって検索しているのか想像し、一般的に広く知られている用語もタグに生かすことで記事を集約しやすくなります。
タグがもたらすSEOの効果とは
タグの設定はSEOにはどのような効果をもたらせるのでしょうか。結論から言うと、直接的なSEO効果は限定的です。ですが、タグを効果的に活かしていくことでGoogleの評価UPにつながる可能性は十分にあります。
タグは間接的にSEO効果を高める
タグの設定は以下の点から、SEO効果を間接的に高めています。
① 回遊率とPV数の向上
タグによる関連記事への誘導は、読者が長くホームページ内に留まる効果をもたらします。結果としてホームページ全体の回遊率とPV数の向上に貢献するため、Googleから評価されやすくなります。
② ユーザー利便性の向上
読者が求める情報にタグによって素早くアクセスできるようになると、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上につながり、ホームページへ再訪してくれる可能性が高まります。
「ユーザーにとって価値のあるホームページ」は、検索エンジンからの評価も高まる傾向にあるため、タグの適切な活用はSEO対策の一環としてとらえることができます。
まとめ
士業のホームページでタグを効果的に使うことは、事務所の顔となる重要なコラムの魅力を高める効果があります。効果的なタグ設定は、単なるキーワードの羅列ではありません。読者の検索意図を深く理解し、適切な数で設定することが重要です。そして、設定後も効果を検証し、改善を続けることでホームページ全体の成長へつなげることができます。
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